アクネ菌をやっつけてニキビを撃退しよう、肌を殺菌して悪い菌をやっつけよう、など、殺菌成分の入った洗顔料の謳い文句として宣伝されていますが、本当に殺菌でニキビが治るのでしょうか?
アクネ菌とは、ニキビの原因になる菌ということで、アクネ菌=悪い菌とイメージされがちですが、実は皮膚の常在菌です。
常在菌とは、皮膚のバランスを保つために常に皮膚に存在している菌のことです。本来はアクネ菌は、肌にとってなくてはならない菌なのです。
アクネ菌が悪い働きをするのは、数が増えすぎたときです。毛穴の中などに住んでいるのですが、この毛穴に皮脂が詰まったり、古い角質が詰まったりすると、これらをエサとしてアクネ菌が異常に繁殖してしまうのです。
そうすると、毛穴の内部で炎症を起こし、ニキビとなってしまうのです。
アクネ菌は先ほど述べた通り、異常繁殖すると悪いはたらきをします。ですから、その増えすぎた菌を殺菌することで炎症が収まることは事実です。
殺菌成分としては、イソプロピルメチルフェノール・イオウ・サリチル酸・ピオニンなどが該当しますので、これらを含んだケアを行えば、ニキビの元となっている増えすぎたアクネ菌を殺すことは可能です。
ですが、これらを使用してニキビをやっつけようとするには、いくつか問題があります。それは、以下の3つです。
アクネ菌を殺菌できたとしても、対処療法でしかない
炎症を鎮める効果は期待できますが、結局は対処療法でしかありません。
ニキビの炎症を抑えて赤みを緩和することはできますが、そうしたとしても、次のニキビの発生を予防することはできませんよね。
要するに、アクネ菌を殺菌するという行為自体が、ニキビの根本的な解決にはならないのです。
他の菌も一気に殺菌されてしまう
肌にとって良い働きをしてくれていた菌までも、同じ「菌」というくくりで殺菌されてしまうため、肌のバランスが崩れて余計にニキビなどの肌荒れが起こる危険性もあるのですね。
刺激が強すぎる
大人ニキビの場合特に、ストレスや生活習慣の乱れ、生理など様々なことが原因でニキビが発生します。
そのような体の免疫力が落ちている状態で、殺菌成分を含む商品を顔に塗ったり、薬を飲んだりしてしまうと、肌質が変わってしまったりしてニキビが一向に治らないということにもなりかねません
以上の理由から、ニキビを治すのに殺菌はお勧めできません。
肌に消毒用のマキロンを塗ったり、エタノールをつけたりするのなんてもっての外です。絶対にやめましょう。